2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ナノケアドライヤー

テレビを見ていたら「ナノケアドライヤー」という言葉が耳に飛び込んできた.松下電器産業のヘアードライヤー「ナノケア」だ.松下は昨年6月に初めてのナノテク製品「イオニティ ナノケア」を発売.そして今年7月に「ナノケア」を発売する. 本製品は、「地…

国の世論調査の回収率が落ちている件

国の世論調査、回収がた落ち 個人情報保護法ひびく(朝日) 政府世論調査、回収率向上へ対策検討…50%台に急落(読売) 似たような調査をときどきやる者としても考えさせられる.もちろん個人情報保護法が施行されたことも理由のひとつだろうけど,そもそ…

ガソリン高が行動を変える

37%が車の買い替え検討=ガソリン高で、米消費者(usfl.com) クルマ依存のアメリカ人の42%が「車の利用を減らす」,16%が「歩くか自転車をもっと使う」と回答したのは驚き.これこそ,市場メカニズムの見えざる手による誘導だ.一方,欧州では,"You Contr…

アメリカ人にとっての「ナノ」の第一印象

Anna M. Waldron "Nanotechnology in public" (pdf)によると,アメリカ人の多くは「ナノ」と聞くと,1)何かの短縮形,2)スペイン語,3)祖母のこと,という連想をするらしい.「ナノテクノロジー」よりも「ナノ」の方が認知度が高く,その理由として,iPod na…

インフルエンザ・ワクチン配分の優先順位

以前「タミフルの配分をどうやって決めるのか?」を書いたが,タイミングよくScience誌に興味深い論稿が載った.タイトルは「全員に行き渡らないときに,誰にインフルエンザ・ワクチンが与えられるべきか?」. 最初に紹介される優先順位付け原則は,全米ワ…

マジック・ナノ騒動の続報

ドイツの連邦リスクアセスメント研究所の調査結果によると,当初,史上初のナノテク製品による事故かと疑われた「マジック・ナノ」使用による呼吸器症状の原因はナノ粒子ではなかった…というよりも,そもそもマジック・ナノにはナノ粒子は含まれていなかった…

アガリクスの新聞広告

河村慶彦著「アガリクス、インチキ商法:片棒かついだ朝日、毎日、読売」(月刊WiLL7月号) 以前からすごく気になってたことがこれ.一時期,全国紙は,アガリクスなどのキノコ類の広告がものすごい量掲載されていた.うそくさい体験談だらけで怪しいすぎる…

なぜいま行動経済学なのか?

友野典男著『行動経済学 経済は「感情」で動いている』光文社新書. カーネマンがノーベル経済学賞を受賞したこともあって,行動経済学が流行っているらしいが,基本的なところは10年以上前からあった「経済心理学」の呼び方が変わったものにすぎない.実験…

クリーン・エネルギー・インデックス

ナスダック、5月18日から「クリーンエネルギー・インデックス」を設定(日経) NASDAQ AND CLEAN EDGE LAUNCH CLEAN ENERGY INDEX (NASDAQ newsroom) Another Clean Energy Index Launches to Capitalize on Transition from Dependence on Fossil Fuels (S…

地球温暖化防止関連株ファンド

新光投信が新ファンド「地球温暖化防止関連株ファンド(愛称:地球力)」を発売する(pdf).申し込み期間は2006年6月5日(月)から2006年6月29日(木)だそうだ.このファンドは,KLD Research & Analytics社のGlobal Climate 100 Indexに基づいた最初のファ…

アンチ地球温暖化CM

Competitive Enterprise Institute(CEI)が,ゴア前副大統領の地球温暖化映画の公開に合わせて,地球温暖化対策に異議を唱えるテレビCMを作成した(link).全米14都市で5月28日まで放映される.CMにはエネルギー編と氷河編の2種類あって,両者に共通す…

ナノ・ポドキャスティング

Experts seek public input on nanotechnology (Earth & Sky) アリゾナ州立大学のCenter for Nanotechnology in Society(社会におけるナノテクノロジー・センター)のセンター長であるDavid Guston氏へのインタビュー.2008年に,全米で,ナノテクノロジー…

8つのグループがFDAに化粧品規制強化を求める請願書

5月16日,8つの消費者団体と環境団体は,ナノ粒子を使った日焼け止めや化粧品の規制強化を求める市民請願書(citizen petition)を米国FDA(食品医薬品局)に提出した.FDAの不作為を批判する内容で,ナノテクノロジーに関する初の法的行為となる.請願の前半…

労働現場でのベスト・プラクティス

カリフォルニア大学サンタバーバラ校がICONとともに,ナノ材料を扱う事業者による環境・安全・健康に関する管理対策の実施状況を尋ねるアンケート調査を行う.調査は今年夏に国際規模で実施され,現段階のベスト・プラクティスを抽出する(link). 調査は参…

カーボン・オフセットは流行るぞ

W杯ドイツ大会、温暖化ガス「ゼロ」に・FIFA(NIKKEI NET) このあいだ「カーボン・オフセットの可能性」を書いたけど,いきなり来月のサッカー・ワールドカップがカーボン・オフセットをやるようだ.純増分の10万トンのうち,南アから7万トン,インドか…

高速道路でのバイク二人乗り

高速道のバイク2人乗り、解禁1年で事故30件(NIKKEI NET) 道路交通法が改正されて2005年4月から高速道路でのオートバイの二人乗りが解禁された結果,1年間で事故が30件発生して4人が死亡したそうだ.もし解禁しなかったらこの4人は命を落とさなかった(も…

大豆イソフラボンのリスク評価から見えてくるもの

大豆イソフラボン、1日摂取量上限を食品安全委が通知(読売新聞) リスク評価結果の解説ページ(食品安全委員会) 食品安全委員会が「大豆イソフラボン」の上乗せ摂取上限値を30mg/日とする答申を行った.しかしその理屈はかなり苦しい.まず,大豆イソフラ…

カーボン・オフセットの可能性

New Hampshire Businesses for Social Responsibility (NHBSR)は5月11日に開催される2006年の春期会議によって排出が予想される二酸化炭素22,000ポンド(およそ2万トン)をCarbonfund.orgのサービスを使って「相殺」する.サービスの内容は,再生可能エネル…

ナノテクと食品業界

Food industry targets "mundane" use of nanotechnology (foodproductiondaily.com) Lux Researchによるナノテクレポート第4版(これはクライアントしか読めないみたい)によると,2005年には320億ドルの製品にナノテクが使用され,これは2004年の倍に相当…

共謀罪と予防原則

相談しただけで罪に問われる「共謀罪」が問題になっている.でも,共謀罪には反対して,環境問題には予防原則の導入を訴えるという態度は矛盾していると思う.どちらも,その運用の恣意性に問題があるという点で同類なのだから.ブッシュ政権によるイラク戦…

米国上院での公聴会

米国上院の商業・科学・交通委員会の貿易・観光・経済発展小委員会で5月4日,「ナノテクの商業化を通した経済発展機会を促進する(Promoting Economic Development Opportunities Through Nano Commercialization)」と題する公聴会が開かれた.当日のビデオ…

ガソリン価格の上昇を密かに歓迎?

Environmentalists Quietly Welcome High Gas Prices (NPR) 環境保護主義者がガソリン価格の上昇を密かに歓迎しているという話.最近の原油価格上昇についての記事はほとんどが生活や経済成長への影響にからめた話で,資源問題や地球環境問題とリンクさせた…

タミフルの配分をどうやって決めるか?

鳥インフルエンザが変異してヒトからヒトへ効率的に感染するというパンデミック(pandemic)の懸念がたびたび報道されている.しかし,実際に大流行が起こった場合に,人の数よりも絶対的に少ない抗ウィルス薬「タミフル」やワクチンをどのような方法で配分…

ナノリスク関連

Women buying creams made of tiny particles 'used as guinea pigs' (Daily Telegraph) 5月4日,ロンドンの科学メディアセンターで講演したAndrew Maynard氏(Project on Emerging Nanotechnologies)の発言が引用されている. ある意味,われわれはこれら…

ラドタウンUSA

ラドタウンUSA(RadTown USA)は,EPAが作った日常生活と放射線のかかわりを学ぶためのウェブサイト.街の中の絵をクリックすると放射線源やユーザーの情報が得られる.

リスク評価2.0

ウェブ2.0という言葉がじわじわ浸透しているようだ.そうなると,そこから借用して○○2.0というのがいろんなところで使われるようになるだろう.じゃあ,リスク評価2.0についても考えておいた方がいいかもしれない.リスク評価1.0は,安全側の仮定を積み重ね…

原油高をめぐるちょっとした妄想

どっかの大金持ちの環境保護論者が先物を買いまくっているっていうのはどうだろうか.ぼくがもしビル・ゲイツだったらやるかもしれない.いくらがんばって環境保護活動をやっても限度がある.すべての人の心に届くなんてことはありえない.すべての人々の行…

欧州でCO2価格が急落

CO2排出権、欧州市場で最高値・1トン=30ユーロ突破(日経4/25) 日経新聞にこういう記事が出た翌日からCO2価格が大暴落. CO2排出権価格が一転急落(日経5/1) 30ユーロ近かった価格が,半分以下になった.一種のバブル崩壊か?理由はこんなことらしい…

ナノ・アウトリーチ*1における5つの教訓

ウィスコンシン大学のScheufele氏による「ナノ・アウトリーチにおける5つの教訓」(Material Today誌5月号)を簡単にまとめてみた その1:「科学的な市民」という神話 コンセンサス会議やフォーラムを開いてみても,すでに関心の高い一部の市民の参加しか得…

リスク評価に役に立つ社会科学とは?

英国Royal Societyが,Food Standards Agency (FSA)の要請にこたえて企画したワークショップ(2005年9月開催)の報告書が出た(link).社会科学的知見がどのようにリスク評価に生かせるかという問題意識から,「BSEの30ヶ月ルール」と「魚消費のリスクとベ…