ドイツのナノテク製品リコールはナノ粒子が原因でないかも?

ドイツでリコールされた"Magic Nano"は,「ナノ」と銘打っているものの,ナノテク製品ではなかった可能性がある(link).あるいはナノ粒子そのものが原因でなかった可能性がある.

以前,その製品はポンプ式のスプレー容器として売られており,4年間は何の問題もなかったと連邦リスク評価研究所のスポークスパーソンであるJurgen Kundke氏は言う.エアロゾルの泡は,ポンプ式よりもさらに細かな粒子の霧を発生させ,空気中の滞留時間を長く,あるいは肺の奥まで到達することを可能にする.

「このような影響(※肺への影響)はナノ粒子の入っていない他のスプレーにも見られため,エアロゾルの問題であり,ナノ粒子特有の問題ではない」とKundke氏は言う.この製品は「ナノ」と名付けられているが,ナノテクノロジーが用いられていない可能性があるともKundke氏は言う.「製造法はまだ秘密で,製品にナノ材料が含まれているかどうかさえ分からない」.

Kleimann社自身も原因はナノテクノロジーではないと考えている(link).

しかしながら一番ありそうなことは,原因はナノテクノロジーにあるのではなく,エアロゾル中の防食液(anti-corrosion liquid)ではないかとKleimann社の専門家は言う

調査の結果が出るにももう少し時間がかかりそう.

しかし,この製品が「ナノ製品」としてマーケティングされている以上,ナノ材料に対する懸念を高めるのに一役買うことは確かだろう.この先のシナリオとしては,次の3つが考えられる.ベストは2つ目だけど,3つ目の場合,どのような展開になるのだろうか.会社が頑なだと新たな法規制の必要性が高まるかもしれない.

  • Kleinmann社が製法を公表する→ナノ材料が原因であった
  • Kleinmann社が製法を公表する→ナノ材料が原因ではなかった
  • Kleinmann社が製法を公表しない(あるいは不明なまま)