2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

収斂における進歩:人類の幸福のための技術

Annals of the New York Academy of Sciences誌のVol.1093(2006年12月号)の特集は"Progress in Convergence: Technologies for Human Wellbeing"(収斂における進歩:人類の幸福のための技術).編集はWilliam Sims Bainbridge氏とMihail C. Roco氏. Part…

携帯電話と神経膠腫

北欧では携帯電話の普及が早かったために,10年以上の長期曝露の健康影響を調べた疫学の結果が最近出てきている."Mobile phone use 'linked to tumour'"(携帯電話の使用が「腫瘍に関連している」)と題するニュース記事が出ていた(link).その元となった…

オンラインコース

モンタナ大学のThe Center for Ethicsの企画"“Debating Science: Practical Reasoning and Nanotechnology”(科学を討論する:実際的な推論とナノテクノロジー).2007年秋にオンラインで実施される. コースの概要はこんな感じ.単に勉強するだけでなく,最…

気候変動ダイレクトアクション

ダイレクトアクションは欧州の環境NGOのお家芸だけど,カーボン・オフセットに対しても実行された(news). London Rising Tide(LRT)のアクティヴィストたちは,The CarbonNeutral Company(旧名Future Forests)の会議スペースを占拠したらしい.彼らは…

閾値について考える

化学物質のリスク評価では,非発がん性物質や遺伝毒性のない発がん性物質については,閾値アリの仮定で参照値を導出することになっている.しかし,PMやオゾンといった一般環境での大規模な疫学調査が可能な物質の非発がん影響について,近年のしっかりした…

ピークオイルをめぐる国際パネルが必要だ.

気候変動についてはIPCCのおかげで国際的なコンセンサスが得られるようになったし,膨大なデータを集めて最善の予測を行うという一連の作業が確立された.これに対して,ピークオイルや原油埋蔵量に関するデータはぜんぜんまとまっていないし,楽観論から悲…

カリフォルニア州のDTSCでのシンポジウム

Department of Toxic Substances Controlが3月8日に「ナノテクノロジー・シンポジウム」を開催.環境規制では常に国の先を行くカリフォルニア州なので,ナノ材料に関しても素早い手を打ってくるかもしれない.プレゼンは各20分だけどそれぞれに15分のQ&A時間…

米国の動向(EPAのWhite Paper)

米国EPAのNanotechnology White Paperの最終版が発表された.132ページ.詳細はのちほど.

欧州の動向(予算)

欧州の研究資金プログラムであるSeventh Framework Programme (FP7) が2007年1月1日に始まった.2007〜2013年の期間のナノテク関連予算は35億ユーロ(news). 4.1.3 "Nanosciences and Nanotechnologies – Health, Safety and Environmental Impacts"の中に…

欧州の動向(倫理)

European Group on Ethics in Science and New Technolkogiesは,は1月,ナノ医療の倫理的側面についての提言をまとめた.本文は123ページもあるので,Press releaseから概要を.まず,safety of nanomedical productsを確認しろ,そしてpublic participatio…

AAASのAnnual Meeting

AAASの年大会がサンフランシスコで開催中.今年のテーマは「持続可能なwell-beingのための科学と技術」.Well-Beingは「幸せ」とか「生活の質」のような概念.というわけで,180分と90分の2種類あるシンポジウムの中から,もし参加してたら聞いてみたいと直…

富士キメラ総研のレポート

レポート「MEMS&ナノマテリアル関連市場総調査 2007」自体は10万円するので,目次の中の「F.ナノマテリアル」の項目と,プレスリリースだけチェック. 導電性ナノ粒子(配線材料、導電性ペースト、液晶表示素子、ナノ磁石などのエレクトロニクス材…

いまの社会制度ありきで考えない.

地球温暖化を防ぐっていう文脈で,「1人1人の取り組みが大事」とか「できることからコツコツと」といった決まり文句がある.それも善意の顔をした人に限ってテレビや講演で言う.でも,これってある種の拷問だ.だって,世の中の楽なやり方に逆らえと言って…

欧州の自動車燃費規制

1999年に設定された自主的ターゲットを達成できない見込みが高まったため,法制化が動き出した(news).自主的取組の失敗例となる.新車の平均燃費(走行距離あたりのCO2排出量)は1995年の186g/kmから,2004年には163g/kmになった.法規制では,2012年までに…

「予測値(範囲)×それらの確からしさ」をどう伝えるか?

IPCC第4次評価報告書第1作業部会の「政策決定者向け要約(SPM)」が発表された.気候変動問題の重要性がますます増したと感じる人が多い内容だったけど,どうやってこの印象を伝えればいいのかは実は難しい.気温上昇と海面上昇の予測について検証してみる.…

自発的環境プログラムの実態把握(リアリティ・チェック)

RFFから新刊"Reality Check: The Nature and Performance of Voluntary Environmental Programs in the United States, Europe, and Japan"(amazon.co.jp)が刊行される.タイトルに"Japan"が入っているのでどの事例だろう?まさかいまさら公害防止協定じゃ…

テクノロジー・アセスメント

「テクノロジー・アセスメント」はずいぶん手垢が付いた古い言葉だけど,復権させる手はないだろうか.「リスク・アセスメント」や「環境アセスメント」は,物質や技術が社会に与える可能性のある影響の1つを取り出して評価するものであって,その物質や技術…

フランスでも市民会議

2007年1月20日に,Région Île-de-France(イル=ド=フランス地域圏=フランスの首都圏)の議会が,Citizen' conference on nanosciences and nanotechnologiesを開催(news).ここでの専門家とのディスカッションののちに,市民パネルは22日,「ナノテクノ…

米国での鉛の大気環境基準値をめぐる議論

米国のClean Air Act関係でオゾンに続いて鉛でも興味深い事態になっている(news).鉛はオゾンやPMとともに,6つのクライテリア物質のうちの1つ.これは有鉛ガソリンの時代の名残り.鉛の大気中濃度は1983年から2002年に94%も減った. 日本では体内に入る…