2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

オーストラリアでモラトリアムの要求

NICNASのインベントリーの発表を受けて,グリーンズ(緑の党)の政治家たちは,オーストラリア政府に対して,十分な規制が実施されるまで工業ナノ材料を含む消費者製品の発売に対して即座のモラトリアムと,ナノ材料のヒト健康と環境へのリスクを評価する規…

オーストラリアのナノ材料インベントリー

オーストラリアでは2006年2月,Australian Department of Health and Aging(オーストラリア保健・発育省)は,NICNASの出版物である"Chemical Gazette"の2月号を通して,2005〜2006年の間に,ナノ材料やナノ製品を製造したり輸入したりする者に対して,ナノ…

ユーロバロメータによるエネルギー世論調査

欧州の定期的な世論調査Eurobarometer.調査は2007年2月に電話で行われた.タイトルは"Attitudes on issues related to EU Energy Policy"(EUエネルギー政策に関する問題への態度)(pdf). 気候変動と地球温暖化について,非常に懸念している50%,ある程…

イエール大学の環境世論調査2007

イエール大学のYale Center of Environmental Law and Policyによる"Environmental Attitudes and Behavior Project"が実施している電話アンケート調査.1017人から回答を得ている.質問票はすべて載っている.主な内容は次のとおり. 環境問題についての言…

「政策策定を通してリスクを管理する」

3月26〜29日にロンドンのWilton Parkで,"Managing Risk through Policymaking: Sensible Precaution or Fear of Trying?"(政策策定を通してリスクを管理する:思慮のある事前警戒か,試すことへの恐れか?).参加費は£1150とちょっと高め.プレゼンのタイ…

ABAの環境法に関する年会

American Bar Association(全米法曹協会)の36th Conference on Environmental Lawが3月8〜11日に開催.米国の法律関係者は以前からナノテクノロジーに注目している.1年前にはSection Nanotechnology Projectというプロジェクトが,環境法について分野ごと…

「ナノクラスター有機ゲルマニウム水」

「iPod nano」を除くと,いま日本で一番有名な「ナノ」の付く消費者製品かもしれない.某大臣の光熱水費の用途として,浄水器でなくて,これだと一部報道されている(本当かどうかは分からないけど).このような「ニセ科学」で「ナノ」が有名になると,ナノ…

凝集と細胞毒性

カーボンナノチューブ(CNTs)のヒト細胞を使ったin vitro細胞毒性試験.分散したCNTsはアスベスト繊維よりも毒性が小さかったが,凝集したCNTsはアスベスト繊維よりも強い毒性を示した.ポイントは2点.凝集している方がむしろ毒性が強かったことと,情報が…

CNTの成長する様子

ケンブリッジ大学の研究者を含む研究チームは,カーボンナノチューブが形成される様子のビデオ撮影に成功.ウェブ上で2本見ることができる(link).触媒はニッケル粒子.触媒化学蒸着と呼ばれるプロセスで生産され,炭素を含むガス(アセチレン)を小さな結…

オープンソース・ハンドブック

The Opensource Handbook of Nanoscience and Nanotechnologyというウェブ2.0的試み. Part 1: INTRODUCTION Part 2: SEEING 'NANO' Part 3: PHYSICS -- ON THE NANOSCALE Part 4: NANOMATERIALS Part 5: NANOSYSTEMS Part 6: NANOENGINEERING Part 7: NANO-…

抗酸化サプリメントと死亡率

「ビタミンのサプリ、「延命効果なし」の報告が波紋呼ぶ」(cnn.co.jp)という報道の元ネタはJAMAの2/28号に載った「一次および二次予防のための抗酸化サプリメントの無作為割り付け試験における死亡率:体系的なレビューとメタアナリシス」という論文.アブ…

NANOTOXICOLOGY 2007

イタリアのヴェニスで4月19〜21日,ナノトキシコロジー2007という会議が開かれる(ただし,プログラムは見当たらず).第1回は米国マサチューセッツ州ケンブリッジで2006年4月に開催された.そのときのタイトルは「ナノトキシコロジーの効果的な研究デザイン…

フード・マイルズとフェア・マイルズ

食料品の選択を通してCO2排出量を減らすには,フードマイルズという概念(指標としてはフードマイレージ)は便利だ.食材の輸送量×輸送距離で測られるフードマイレージを小売店が食品に表示するようになれば,消費者はこの数字の小さい食材を買うことでCO2削…

インフルエンザの流行を予測する.

あちこちで予測市場が使われ始めいてるが,今度はインフルエンザの流行についてパイロットプロジェクトがうまくいったという話.アイオワ州で"flu market"(インフルエンザ市場)を,2004〜2005年のシーズンに立ち上げ,61のヘルスケア労働者たちが参加した…

子供 vs. 成人

Health Affairs誌の2007年3/4月号は"Designing Children's Health Care"特集.Editorialのタイトルが「子供はどれくらい重要か?資源配分の衝突」.この特集の中で一番気になるのはミシガン大学のDaniel Eisenberg and Gary L. Feedによる「社会が若者の健康…

ドイツでもカーボンオフセット

国家公務員や閣僚の出張によって排出されるすべてのCO2をオフセットすることが決まった(link).2007年以降.年間US$4〜$5.3 million(約5〜6億円)くらいかかると予想され,2008年度予算に組み込まれている.欧州では流行というか,当たり前のこととなったよ…

Environmental DefenseとDuPont社

環境NGO大手のEnvironmental Defenseと化学大手のDuPont社は,2005年10月以降,ナノ材料の責任ある開発,生産,使用,処理を目指して,"nanotechnology risk framework"の草稿を公表. コメントは3月30日までに送ることができる.

Safer Nano 2007会議

3月12〜13日にオレゴン州Eugeneで開催(link).第2回目.地元ということで,Paul Slovic師匠も"Perception and Acceptance of Risk from Nanotechnologies"(ナノテクノロジーのリスクの認知と受容)という講演を行う.