2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「生命の価値」はやっぱりまずいと思うというパブコメを提出

国土交通省の「公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針」改訂案に意見募集していたので、メールで以下のような意見を出してみた。 第2章 第5節 第2項(2)人的損失額、について意見を述べます。 「支払意思額による生命の価値」という言い方は、不必要…

物理化学的特性、in vitro試験、in vivo試験をつなげることに成功したという話?

PNASに出たところの論文。ニュース記事だけ読むとすごいことが書いてある。とりあえずアブストを翻訳。物理化学的特性、in vitro試験、in vivo試験をそれなりにつなげることに成功したという話らしい。 Shaw, S. Y., Westly, E. C., Pittet, M. J., Subraman…

自発的な報告制度:米国と英国のその後

米国EPAが今年1月に開始したNMSP(Nanoscale Materials Stewardship Program)の基礎的プログラム(Basic Program)への参加の締切日である7月28日まであと1か月ちょっととなった。これまでに提出したのは3社(DuPont, Office ZPI(※), 匿名の事業者)だけで…

とうとう出た企業向けナノリスクコンサル「ナノリスクチェック」

工業ナノ材料を生産したり使用したりする企業にとっては様々なリスクが懸念される。製品によって何らかの健康被害が生ずるというリスクはもちろん、直接そんな事態がなくても、法規制ができて材料や製品が売れなくなる事態だって十分考えられる。そんなこと…

REACHにおいてCarbonとGraphiteが対象物質に

6月9日(月)のEUの関係者の発言によると(nanowerk記事)、欧州委員会では前週、これまで免除規定であるAnnex4(物質固有の特性のためリスクは最小限であることが十分な情報により示されているもの)に含まれていた「炭素」と「グラファイト」を免除規定か…

IARCモノグラフへのその他のリクエスト

Imperial Colledge Londonの環境疫学者であるVineis氏は、ストレス、気候変動、ハーブなどの代替薬品をリクエスト。気候変動で発がん?と疑問に思ったら、途上国での干ばつや洪水で土壌の成分が変わり、ヒトをがんから守るセレンなどの微量栄養素が減るかも…

IARCモノグラフにカーボンナノチューブがリクエストされた

これもPoland et al.レターの波及効果ネタ。International Agency for Research on Cancer (IARC)(国際がん研究機関)の「IARCモノグラフ」シリーズは、ヒトにがんを生じさせる可能性のある対象を、1971年以来900件以上とりあげ、そのうちおよそ400が「ヒト…

英国Environment AgencyがCNTを「有害廃棄物」に分類することを提案

5月にNature Nanotechnologyに載ったletter(Poland et al.)の影響はいろいろなところに波及している。英国のEnvironment Agencyは5月19日,フリーな(unbound)カーボンナノチューブ(CNT)を含む廃棄物の分類と処分に関する暫定的な(interim)勧告を発表し…

エマージングリスク:2nd World Congress on Risk参加報告(その4)

今回の会議でとても耳に残ったフレーズは"emerging risks"だ。言い換えると、"new and/or increasing risks"であり、単に「新しい」というだけでなく、「リスクが増してきているぞ」という感じを伴う。日本語にすると「新興リスク」といったところか。ぼくが…

2つのQと3つのS:2nd World Congress on Risk参加報告その3

Maynardさんのプレゼンタイトルは"Towards "safe" nanotechnologies―where do we want to be, and how will we get there?"(「安全な」ナノテクノロジーに向けて−どこに行きたい?そしてどうやってそこに辿りつける?)だった。ツカミは、2つの質問。実は昨…

フォーキャスト:2nd World Congress on Risk参加報告(その2)

6月10日の全体集会は「セキュリティ、ガバナンス、そして新興の脅威の管理(Security, governance, and the management of emerging threats)」として、バイオセイフティとナノテクノロジーの話があった。ナノテクノロジーの話をしたのは、ライス大学のVick…

SRAの野望:2nd World Congress on Risk参加報告(その1)

4年に一度の世界大会の第二回が2008年6月8日から11日までメキシコのグアダラハラで開催された。第一回にはあまり興味がわかず参加なかったけど、ベルギーのブリュッセルで開催された。Society for Risk Analysis (SRA)は本部と位置付けられる北米に加えて、…

Andrew Maynardに会ってきた!

論文、議会証言、そしてブログをいつも追っかけているMaynardさんにとうとう会ってきた。場所はメキシコ、グアダラハラ。6月8〜11日に開催されたSecond World Congress on Risk(リスク分析学会の第2回世界大会)の6番目の"breakout session"(第6分科会?)…