「地球」とか「環境」とは言わない.

「地球のため」とか「環境のため」という言い方は正確ではないし,誠実ではない.人間がどんなことをしようとも,地球はそのまま存在し続けるし,環境だって形は変えつつも存在し続ける.生態系だって人間がどんなことをしようとも何らかの形で存在し続ける.
持続可能性は地球のためでもなく,環境のためでもなく,子供や孫を含めた将来世代のためだ.環境問題も,同世代の他人のためか,将来世代のためか,そのどちらかだ.地球とか環境とか言って他人事にして,罪悪感をなくしてしまうのは,詐欺的とも言える.気候が変動したり,石油が枯渇したりして困るのは,地球でも環境でもなく,子供や孫を含めた将来世代だ.
最近,子供の安全があちこちで問題になっているが,みんな目先の話ばかりで,彼らがあと30年後に十分な化石燃料を使えなくなるかもしれないことには目をつぶっている.本気で子供や孫の心配をするのなら,気候変動や資源枯渇の心配こそリアルな問題だ.こんなおかしなことになっているのは,「地球」だとか「環境」だとか抽象的な話にしてしまって,ものごとの本質から目をそらしているからだ.

「地球環境を守るため」ではなくて「将来世代を守るため」だ.地球の写真じゃなくて,子供たちの写真を貼るべきだ.

これだって,「子供や孫のために」の方が正確だし,支払意欲を高めること間違いなしだと思うんだけどね.地球のためではけっしてない.