フランスの倫理委員会の8つの勧告

フランスの国立科学研究センター(CNRS)の倫理委員会(COMETS)は,ナノサイエンスとナノテクノロジーに関する倫理問題についての意見を発表した(本文はフランス語のみpdf).内容はだいたいこんな感じ.
1.研究開発に関心があるすべてのステイクホルダーが参加して議論すべし
2.科学者や技術者のキャリアの様々な段階で倫理面の教育をすべし
3.既存研究の成果を簡単な言葉で要約した簡潔な倫理ガイドを作成すべし
4.研究施設には,研究者や技術者が人文社会科学者と議論ができる倫理フォーラムを設けるべし
5.ナノサイエンスとナノテクノロジーに対する人文社会科学者の関心を引き起こすべし
6a.産業界との関係で利益相反を見つけて仲裁する手続きを定めるべし
6b.研究資金の出所や産業界との共同研究の成果を透明にすべし
7.広報活動に関して,1)ありうるマイナス面を隠すことなく,期待されるベネフィットを示すべし,2)ナノサイエンスを科学研究の優先課題とすることの人類にとっての帰結を明らかにすべし,3)ナノサイエンスの長期的な帰結を大胆に考えるべし
8.対話の場を設け,地域・全国・国際レベルでの議論に参加すべし