将来予測その1

英国では,Horizon Scanning Centre(HSC)が2年くらい前に設立された.Horizon Scanは,英国DTIのOffice of Science and InnovationのForesightプログラムから出てきたプロジェクト.2005〜2055年に起こる変化とそれらの社会への影響を予測する.2つのパートからなっていて,1つはDelta ScanでカリフォルニアのInstitute of the Future(IFIF)が実施し,生物学とバイオテクノロジー,化学,複雑性,計算科学,生態学と地球科学,経済学,エネルギー,材料,数学,ナノテクノロジー,社会科学,宇宙科学,物理学,科学の地理学,科学の構造の15分野からなる.もう1つはSigma Scanで,Outsights - Ipsos MORIに委託され,社会,科学技術,政治,経済,環境の5分野に関する多数の細分化した報告書が作成された.
Delta Scanの社会科学がおもしろいので項目を以下に挙げる.

  • 分子考古学の出現
  • 社会学における対象時期や分野の変化(例えば,テロリズムや戦争など)
  • 社会関係を分析するためのツールとして複雑性理論が主役に.
  • 社会科学において空間分析が多く使われるようになる.
  • 携帯電話が途上国における経済成長に大きく寄与する
  • 応用人類学の誕生
  • 応用社会学の誕生
  • 定量的解析の方法としてシミュレーションが社会科学でもっと使われるようになる.
  • サイバースペース内でのヒトの行動の研究(サーバー・エスノグラフィー)が人類学の重要なトピックになる.