イエール大学の環境世論調査2007

イエール大学のYale Center of Environmental Law and Policyによる"Environmental Attitudes and Behavior Project"が実施している電話アンケート調査.1017人から回答を得ている.質問票はすべて載っている.主な内容は次のとおり.

環境問題についての言明に同意/不同意
  • 「わが国は,テロリストからの危機と同じくらい,大気汚染や地球温暖化といった環境ハザードからの危機にある」に対して,39%が"mostly agree",24%が"somewhat agree",合わせて63%が同意.
  • 地球温暖化を防ぐことは,宗教上の義務の一部である」については,43%が同意.やや微妙.
  • 「"カーボン・ニュートラル"という言葉をよく知っている」は33%が同意.けっこう高いのでは?日本ではほぼゼロかも.
一般的な事柄についての言明に同意/不同意
  • 「聖書が言うように,世界は文字通り6日間で創造された」には58%が同意.
米国の石油依存を減らすための施策についての評価

おおむね高評価でかつ昨年よりも評価が上がっているのだけど,さすがに自分自身に直接跳ね返るようなものには評価が下がる.

  • 「ガソリン販売に対してガロン単位で汚染課徴金」は25%が「良い考え」
  • 「クルマを運転する1マイル単位で汚染税」は19%が「良い考え」
  • 「クルマを運転する1マイル単位で税金」には7%が「良い考え」

このあたり言い方が違うだけのようにも思えるけど.

購入経験や意欲

エタノール車やハイブリッド車の購入意欲は高い.

環境情報源としての信頼性

ほとんどの項目で信頼性が減少.2004年から2007年の変化を見ると,

これらは非常に大きな変化に見える.イラク戦争開戦時のウソが明らかになったことが影響しているのだろうか.大学の科学者が70〜80%程度を維持しているのに対し,EPAが73%→63%と信頼性を減らしているのも気になる.政治の影響だろうか.

資源環境問題の重要性

すべての項目で資源環境問題を深刻だと回答する人が増え,そうでない人が減っている.2004年から2007年の変化を見ると,

  • 地球温暖化」は70%→83%
  • 「気候変動」は61%→79%
  • 「ガソリンの価格高騰」は,実際に価格高騰が起こったにもかかわらず(むしろ起こったからか?),"very serious"と回答する人の割合は,74%(2004年)→68%(2005年)→49%(2007年)と激減.ただ,"somewhat serious"と回答している人は増えているので,全体としてはあまり変わっていない.
最後は一般的な回答者の属性

どんなクルマを所持しているか,というところが興味深いので抜粋(複数回答アリ).

  • コンパクトカー23%
  • 中サイズあるいはファミリーカー30%
  • 高級車8%
  • SUV19%
  • 軽トラック17%
  • ヴァン・ミニヴァン12%
  • ハイブリッド車2%
  • クルマは持っていない8%.