NRDCによる規制枠組みの提案

Natural Resources Defense Council (NRDC)から,「ナノテクノロジーの目に見えない脅威:小さな科学,大きな帰結(Nanotechnology’s Invisible Threat: Small Science, Big Consequences)」という報告書がリリース.予備的な規制枠組みを提案した.これは,Precautionary Principleに基づき,3部構成からなる.
1.ナノ材料の,試験されていない,あるいは安全でない使用は禁止する.
2.商品化の必要条件として,環境・健康・安全に対する完全なライフサイクルアセスメントを実施する.
3.ナノテクノロジーの開発と制御への一般人と労働者の完全で意味のある参加を進め,ナノテクノロジーの持つ社会的・倫理的な影響を検討する.
特に,規制省庁が,重要な情報への一般人のアクセスを容易にすべきことが強調されている.具体的には,

  • 各応用技術の,物理的特性,ハザード(有害性),ポテンシー(用量反応関係),曝露可能性,既存のリスク管理対策や保護手段に関する誰でもアクセス可能なインベントリーを作成.
  • ナノ材料を含む消費者製品へのラベリング
  • ナノ材料を扱うすべての製品やプロセスについて,労働現場での「知る権利」ルールの確立
  • すべてのナノ材料の,国ごとのの誰でもアクセス可能な追跡システムの確立