米国のナノテク専門家へのアンケート調査

米国のナノ科学者に対するアンケート調査の結果を分析した論文がJournal of Nanoparticle Researchに発表された。タイトルは「リスクと規制について:米国トップクラスのナノ科学者が、どのようにしてナノテクに関する政策スタンスを形成するか」(リンク)。著者のScheufele氏のブログにも簡単に紹介があるし、Wisconsin-Madison大学のニュース記事も詳しい。
2007年5月から6月にかけて、米国内のナノテク分野のトップ研究者363人に対して実施したアンケート調査のデータを用いている。専門家もまた一般人と同様、個人的な価値観に基づくヒューリスティクスを利用して判断していることも明らかにされているようだ。ただ、もう2年前になっちゃんすね。もうちょっと早くリリースできなかったのかな。この時期はまだ、「カーボンナノチューブでマウスに中皮腫」騒動の勃発(2008年前半)よりも前だし、2009年6月現在ではまた違った様相を示しているのだろう。こういう日々動いていくような事象は、旧来型の査読付き学術誌で公表するのは難しいなあ。でも、専門家へのアンケート自体はとても貴重だ。これまでたぶん2,3件くらいしかなかったように思う。一般人に対するアンケートは簡単で、世界中で実施されているけど、専門家へのアンケートはなかなか難しい。去年あたりから日本でもやろうと検討はしてるんだけどまだできていない。