「危険である」と認識することの意味

2005年12月に実施,全国の20歳以上の男女2000人を対象に実施し,1314人から回答があった.回答率は65%とけっこう高いので訪問面接調査だろうか?

今の日本が自然災害や事故、テロなどに対して安全かどうかを訪ねたところ「どちらかと言えば危険だと思う」との回答が42.1%と最も多く、「危険だと思う」も28.5%だった。「安全だと思う」は2.7%だった。(日経)

「危険」「どちらかといえば危険」と回答した人は合計70.6%。「安全」「どちらかといえば安全」は合計23.8%だったが、そのうち2人に1人は「以前と比べ安全でなくなった」と答えた。(朝日)

客観的な危険度は,死亡率だったり事故率だったりで表されるが,意識調査で答える「危険かどうか」は相対的なものだ.回答者は,各人がこのくらいであってほしいと思う安全レベルに比べて主観的リスクが高いかどうかを回答する.そうすると,「以前に比べ安全でなくなった」との回答は,以前の「期待する安全レベルと現在の主観的安全レベルの差」よりも,現在の「期待する安全レベルと現在の主観的安全レベルの差」が大きくなったと解釈したほうがいい.「期待する安全レベル」も「現在の主観的安全レベル」もともに主観的なのでややこしいが.