地球白書の最新版にナノテク

和訳は「地球白書」である"State of the World"(正しい訳は「世界白書」か?)の2006年版の第5章は「先細りする科学:ナノテク入門("Shrinking Science: An Introduction to Nanotechnology")」だ.ヒト健康や環境への影響が不確実なことだけでなく,特許による独占,国際的な貧富の格差の拡大,多国籍企業の力の増大といったトピックもとりあげられているようだ.著者はETCグループの人のようだが,ナノテクのもたらす便益にも触れられていて,バランスの良い記述となっているように見える.要旨の最後はこんな感じ.

課題は,「リスク」に関する技術至上主義的な(テクノクラティックな)規制という古くなってしまったよく知られたアプローチを超えて,科学と技術に対する民主的なコントロールと評価のための革新的な能力を身に付けることである.