原油高騰は強烈な環境税たりうるか?

現世代は自分たちが生きている間のことだけしか考えずに石油を使ってきた(いやもっと近視眼的かもしれない).枯渇性資源の管理方法としては一番頭の悪い方法だ.将来世代のことを考えて理性の力で使用量を減らすことができないのなら,価格メカニズムに誘導してもらうしかない.そういう観点からすると,原油の高騰は,強烈な環境税だ.税収が産油国に持っていかれる点は残念だけど,価格の高騰が使用量を抑制することにつながれば資源の観点からすればラッキーだ.
マスメディアは,地球環境問題の大切さはたびたび取り上げるくせに,原油やガソリンの価格が上がったらそれを悪いニュースとしか捉えられない姿勢は矛盾している.石油資源の延命につながるのなら悪いことばかりでない(あるいはそれ以外に石油の消費を減らす方法があるのなら提案してほしい).
環境省が昨年10月に提案した環境税は,ガソリン1リットルにわずか1.52円の上乗せだ.これに対して,ガソリン価格はこの1年で15円も上がっている(2005年3月の117円から2006年4月の132円).今後石油の価格変動はますます激しくなるだろう.そのまえに代替エネルギーへのシフトを済ませておいて,荒波を避けることができればいいのだけど.