ドイツで実施された「消費者会議」

連邦リスク評価研究所(BfR)でのパイロットプロジェクトとして,「食品,化粧品,衣料の分野におけるナノテク認知に関する消費者会議(Consumer Conference on the perception of nanotechnology in the areas of foods, cosmetics and textiles)」が立ち上がった(link).Independent Institute for Environmental Concern (UfU)とInstitute for Ecological Economic Research (IÖW)との共催.「消費者会議」はリスクコミュニケーションのためのツールの1つという位置づけ.公的機関が利用するのは初めて.コンセンサス会議をモデルとしている.ドイツではこれまで,遺伝子検査,幹細胞研究,脳研究について実施されている.
今回のナノテクノロジーに関する消費者会議に参加する「消費者」は無作為に抽出された.まず,地理的なばらつきを考慮した6000人の個人に招待状が届き,そのうち41人が参加の意思を表明し,2006年6月29日,最終的に16人が選ばれた.女性7名,男性9名,年齢は20〜72歳.彼らが「消費者グループ」となる.いわゆる「消費者団体」代表ではけっしてないことに注意すべき!
消費者会議の段取りは次のとおり.まず,第1フェーズ(2006年9月9〜10日)と第2フェーズ(2006年10月14〜15日)において,消費者グループは説明を受け.ナノテクへの疑問をまとめて,それらに回答してもらう専門家を選ぶ.第3フェーズ(2006年11月18〜20日)はベルリンでの3日間の最終会議.専門家が消費者グループからの質問に回答し,検討したうえで投票を行う.結果は一般の人々,公的機関,政治家,産業界に知らされる.
BfRのページにはナノテクに関するFAQもある.