米国のリスク評価ガイドライン

米国でのリスク評価ガイドラインは,1983年に出版された通称"Red Book"(Risk Assessment in the Federal Government: Managing the Process)の4段階アプローチがスタンダードとなっている.2006年6月にはEPA全米科学アカデミーNAS)と,赤本の更新に関する契約を交わし,もうすぐ改訂版が出るらしい(National Academies Press).どのような改訂が行われるか楽しみだ.
他方,これとは別に,2006年1月,OMBがリスク評価ガイドライン案(Proposed Risk Assessment Bulletin)を発表し,現在,NASパネルがピアレビュー中であり,この結果ももうすぐ発表されるらしい.
こんなわけで実はいまリスク評価の哲学に関してかなりホットな議論が交わされているのだ.しっかり追いかけていこうと思う.
ただし,OMBのガイドライン案は先行きが危ぶまれている.この案は前OIRA長官のGrahamの置き土産であり,現在承認待ちのOIRA長官候補であるSusan Dudley氏には民主党からの強い反対があって承認プロセスは遅々として進んでいない.おまけに中間選挙での民主党の躍進によりさらに見通しは悪くなった.ガイドラン案の確定も,OIRA長官次第なところがあってこのまま葬り去られる可能性もささやかれている.