NRCのレビュー委員会からの報告書

OMBは昨年1月9日に,当時のOIRA長官であったGraham氏の置き土産として,リスク評価のガイドライン案を提案した.個人的にはリスク評価の改革の方向性に共感するところも多かった.ちょうど1年経って,National Reserch Council(NRC)のレビュー委員会によるレビュー結果が発表された(ニュースリリースフルレポート).冊子で買うと有料だけど,pdfでの全文ダウンロードは無料.レビュー結果は一言で「根本的に誤っているので撤回せよ」という厳しいものだった.これには驚いた.ある程度は批判的なものになりそうだとは予想していたけど,根本的に誤りとまで言うかなあ・・・.これからどのような反論がされているのか読んでいく.
レビュー委員会の委員は18人,全員の専門分野を調べてみた.社会科学系も少なくとも3人はいて,なかなかバラエティに富んでいる.しかし,唯一の経済学者のHaveman氏は貧困等の社会問題が専門だし,費用便益分析や規制影響分析の専門家はいない.Katzen氏は元OMBだけど法律家だ.委員の1人,Joseph V. Rodricks氏は,1994年に『危険は予測できるか!』という訳本でも有名(当時は手軽に読めるリスク評価の本が全然なく重宝した).彼について調べていたら,この本の第2版が2006年に出ていることが判明.早速amazonに注文を出した.