地球温暖化と宗教

科学者と福音主義キリスト教リーダーが共同で,ブッシュ大統領と有力政治家たちにメッセージを送った.その中には次期大統領候補も含めれていて,民主党側が,ヒラリー・クリントン(New York州の上院議員),バラック・オバマ(Illinois州の上院議員),共和党側がジョン・マケイン(Arizona州の上院議員).
米国の政治を動かすためには,科学だけでは力になれず,宗教の力も必要なことは,幹細胞研究や進化論教育の件を見てもあきらかだ.科学が,どれだけ気候変動が生じていること,それが人為起源であることを示してみせても,米国では宗教的な後押しがないと動かない.そういう意味では,以前,立場を明確にできなかった,全米福音協会(National Association of Evangelicals)が,地球温暖化問題に取り組む決断をしたことは大きい.今度は本当だろう.サイトには"Evangelical, Scientific Leaders Launch Effort to Protect Creation"とあって,creationという言い方が宗教的だ(たぶん何らかの妥協の産物なんだろう).「生きとし生けるもの」という感じか.
そして,次期大統領候補はいずれにしても温暖化対策をやってくれそうな気がする.マケイン氏は共和党のくせに,熱心だったし,民主党は誰がなっても,ブッシュ政権よりは積極的になるだろう.ただ,ヒラリーは(大企業の味方だから)この中で一番後ろ向きかもしれない.来週の火曜日にブッシュ大統領の一般教書演説(State of the Union address)がある.ここで温暖化対策について何らかの言及があるのではないかと言われている.