インフルエンザの流行を予測する.

あちこちで予測市場が使われ始めいてるが,今度はインフルエンザの流行についてパイロットプロジェクトがうまくいったという話.アイオワ州で"flu market"(インフルエンザ市場)を,2004〜2005年のシーズンに立ち上げ,61のヘルスケア労働者たちが参加した.CDCによる5段階レベルで表されるインフルエンザ流行度合いを取引.その結果,州全体の季節性のインフルエンザ活動を,2〜4週間早く予測できた.71%の週で正確に予測,93%の週で1レベル以内の予測ができた.彼らは自分が働いている個々の病院の情報を持っているが,これまではそれらを集計するメカニズムがなかった.予測市場はそうした個別の断片的な情報を効率よく集計することができた.彼らは,公衆衛生の分野でも,活用できるのではないかと提案.例えば,鳥インフルエンザがヒトからヒトに感染する可能性を取引するとか,ワクチンの有効性を取引するとか.
Polgreen, P. M., Nelson, F. D. and Neumann, G. R. (2007). Use of prediction markets to forecast infectious disease activity. Clinical Infectious Diseases 447: 272 – 279. (感染症活動を予測するための予測市場の利用)