雑誌Nanotoxicology創刊

新雑誌Nanotoxicologyが創刊.第1号は豪華メンバーによる論文が4報.アブスト等からこんな様子.

  • 1本目はGünter Oberdörsterらによる"Toxicology of nanoparticles: A historical perspective"で,工業ナノ粒子の毒性研究を,シリカアスベストに関する粒子毒性学からの文脈の中に位置づけることを通して,最先端の課題も明らかにするという感じか.
  • 2本目は,Andrew D. MaynardとRobert J. Aitkenによる"Assessing exposure to airborne nanomaterials: Current abilities and future requirements".工業ナノ材料を物理化学的特性に基づいて9つのカテゴリーに分類し,それぞれの健康影響に直結する曝露指標を検討.しかし単一の曝露指標は見つからず.むしろ,粒子の数,表面積,質量濃度がそれぞれある程度ずつ役に立つことが分かった.どのカテゴリーにどの指標が良いのかは今後の課題だけど,低コストで3指標を計測できる"universal aerosol monitor" の開発を提唱.
  • 3本目はKevin W. Powersらによる"Characterization of the size, shape, and state of dispersion of nanoparticles for toxicological studies".ナノ粒子の毒性試験を行う際のサイズ,形状,拡散のキャラクタライゼーションに関する事項.
  • 4本目はKlaus Unfriedらによる"Cellular responses to nanoparticles: Target structures and mechanisms".リスク評価にあたってまだ良く分かっていない,細胞,細胞内,分子レベルでのナノ粒子と標的細胞との間の相互作用についてレビュー.