OMBからの覚書「リスク解析のための最新の原則」(和訳作成)

展開がややこしいので背景からおさらい.

  • 2006年1月,OMBは"Proposed Risk Assessment Bulletin"を発表(ぼくは個人的に気に入った内容だったのだけど,数多くの批判を浴びた).
  1. 数多くのパブコメが寄せられる(省庁からのものへのリンク
  2. 同時にNASによる専門家ピアレビューが実施される.
  3. 2007年1月,NASは"Scientific Review of the Proposed Risk Assessment Bulletin from the Office of Management and Budget"を発表.「根本的に間違っている」とする厳しい口調で,OMBはリスク評価の中身まで口を出さずに,原理原則に留まっておけと勧告.
  4. そして,2007年9月,OMBは,"Risk Assessment Buletin"を「案」から「最終版」にすることを断念し,その代わりに,1995年に出ている覚書である「リスク解析の原則(Principles of Risk Analysis)」を更新するという形にして,"Updated Principles for Risk Analysis"を発表した.

見所は,「諦めたはずの"Proposed Risk Assessment Bulletin"の内容をどこまで組み込んだか」であるが,詳細な分析はあとでやるとして,まずは新しい覚書を翻訳した(pdfファイルへリンク).
昨年のSociety for Risk Analysis(SRA)では"Proposed Risk Assessment Bulletin"が激しく議論されたように,今年のSRA(12月にSan Antonioで開催)ではこの原則についての議論があるんじゃないか思うので予習しておかねば.


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