タミフルが下水処理場を素通り

インフルエンザ治療薬であるタミフルが通常の下水処理施設では除去されず,そのことが耐性菌を招くことにつながるのではないかと指摘する論文,「抗ウイルス剤オセルタミビルは通常の下水処理では除去あるいは分解されない:インフルエンザA型ウイルスの耐性の発達への示唆(Antiviral Oseltamivir Is not Removed or Degraded in Normal Sewage Water Treatment: Implications for Development of Resistance by Influenza A Virus)」がPloS Oneに発表された.
日本語のニュースでは唯一ここが紹介しているが,この論文はそもそも,タミフルの最大消費国である日本を念頭において書かれている.日本ではタミフルと言えば,子供が飛び降りるなどの異常行動との関連の有無ばかり話題になっているが,こうした問題にも注目したい.いわゆる化学物質よりも医薬品の環境リスクの方が大きいかもしれない.