2007 SRA Annual Meetingの予習その1

米国San Antonioで12月9〜12日まで開催されるSociety for Risk Analysis 2007 Annual Meetingの予習を開始.まずは毎年充実しているPlenary Sessionの顔ぶれをチェック.
10日朝のテーマは"Get Smart"で,神経科学者のJoseph LeDous氏と心理学者のElke U. Weber氏.New York大学のLeDoux氏の本は2冊和訳が出ている.『エモーショナル・ブレイン―情動の脳科学』(2003年)と『 シナプスが人格をつくる 脳細胞から自己の総体へ』(2004年).予習しておかねば!初日のPlenaryに神経科学の専門家を持ってきたSRAの先見は素直に素晴らしいと思う.昨年の大会にはリスクコミュニケーションを進化論から考えるセッションがあった(内容はかなりお粗末だったが).リスクに対する行動を理解するには,既存の心理学や経済学では表面をなぞるばかりで本質には届かないことはもう明らかだ.そのため,神経科学や脳科学,さらには進化心理学へと向かっている.日本のリスク研究学会がここに到達するにはあと5年はかかるかな?ちなみに,LeDoux氏は歌う神経科学者だ.LeDoux LabのAMYGDALA(扁桃体)をクリックすると研究室のテーマソングが聞ける.彼はロックバンド"The Amygdaloids"(ジ・アミグダロイズ)のギタリストで,バンドのCDも9月に出たところだ.さっそく注文した.サインしてもらおうかなあ.価格は12ドルに加えて日本からだと追加で13ドルかかる.曲のタイトルも脳科学っぽくて笑える.卒業式でのライブ映像は圧巻だ.
もう1人のWeber氏は心理学者で,最近の論文のタイトルは「直感から分析へ:私たちの頭を使った,心による,あるいは型どおりの意思決定」「経時的な選択における非対称な割引:query theoryによる説明」「経験に基づくおよび描写に基づく,長期的なリスクの認知:なぜ地球温暖化はわれわれを(まだ)怖がらせないのか」等々.われわれとかなり近いことをやっているようだ.これらも取り寄せて読んでおかなければ!
11日朝は"Opening New Frontiers for Risk Analysis"と称して,メキシコの研究者,Lopez Vazquez氏とUrbina-Soria氏,そして,Robin Cantor氏の3人.2008年6月にメキシコ,グアダラハラで開催される"2nd World Congress on Risk"の宣伝セッションという感じか.長くなったのでとりあえずここまで.