NTPにおけるナノ材料

12月6日に開催されるNational Toxicology Program(NTP)のBoard of Scientific Counselors Meeting(科学諮問委員会のミーティング)で,候補物質として「ナノスケール金」が取り上げられる(リンク).そのための"NTP Research Concept: Nanoscale Gold"が用意されており,4ページのpdfファイルで読める.

Nomination Background and Rationale
Key Issues
doseを測る適切なmetricについてすべてを実験することは不可能なので,2つのサイズ×2つのコーティングを取り上げる.
Proposed Approach
検証される仮説として次の4点が挙げられている.

  • サイズの異なるナノスケール金粒子の薬物動態と組織分布は同じである.
  • サイズは同じだが,表面改質が異なるナノスケール金粒子の薬物動態と組織分布は同じである.
  • サイズの異なるナノスケール金粒子の毒性は同じである.
  • サイズは同じだが,表面改質が異なるナノスケール金粒子の毒性は同じである.

Specific Aims

  1. 粒子サイズと粒子コーティングが,ナノスケール金の薬物動態的プロファイルへ与える影響を評価すること.
  2. 粒子サイズと粒子コーティングが,ナノスケール金のin vivoでの毒性学プロファイルへ与える影響を評価すること.

Significance and Expected Outcome


しかし,"Nanoscale Materials"としてはすでにFDAから1年前(2006年12月8日付け)に候補物質として提案されているようだ.ナノ材料全般の中でも金と銀に焦点が当てられている.文書名は「推薦と毒性学文献レビュー」(pdf).

1.0 Basis for nomination
2.0 Introduction
3.0 Production Processes and Import Volumes
4.0 Uses
5.0 Environmental Occurance and Persistence
6.0 Human Exposure
7.0 Research and Testing Needs
8.0 Toxicology Data
8.1 Colloidal gold Nanoparticles
8.2 Nanoscale Silver
9.0 Recommended Studies
10.0 References


また,検索してみると,フラーレン,二酸化チタン,量子ドット,ナノスケール銀についてのNTPで試験が行われつつあることが分かる.かなり細かい設定まで分かる.カーボンナノチューブについては,単層CNTでの吸入実験をすると書かれていたがまだ進んでいないようだ.


NTP全体のナノ材料への戦略については,Nanotechnology Safety Initiativeに書かれている.