重要そうなのでJing et al.(in press)の要旨を訳してみた。

Maynard氏がブログで取り上げた論文。アグリゲート(aggregate)とアグロメレート(agglomerate)はどう違うんだっけ?いつも忘れてしまう。Maynard氏はあまり区別してないように思ったんだけど、この論文は厳密に区別してる。だったら、de-agglomerationだけでなく、de-aggregateもあるのか?それともaggregateは"strong bonds"だから分解しないのか?

  • Jiang, J., Oberdörster, G. and Biswas, P. (in press). Characterization of size, surface charge, and agglomeration state of nanoparticle dispersions for toxicological studies. Journal of Nanoparticle Research (リンク

要約:水性懸濁液中のナノ粒子の状態(サイズ、表面電荷、凝集の程度など)をキャラクタライズし、この状態に影響を与えるパラメータを理解することは毒性の研究には必須である。本研究では、ナノ粒子の分散に影響を与える、溶液のイオン強度、pH、粒子の界面化学といった重要な因子の役割が調査された。(1つの生理的溶液を含む)様々な溶液中に分散した4種類の二酸化チタンと3種類の量子ドットサンプルのサイズとゼータ電位がキャラクタライズされた。15nmの二酸化チタンの分散については、イオン強度を0.001Mから0.1Mに増やすと、流体力学直径が50倍に増え、pHを変化させると、粒子の表面電荷流体力学的サイズが大きく変わった。多価イオン(例えばピロリン酸イオン)を二酸化チタンのナノ粒子の表面に吸着させたり、量子ドットのナノ結晶にポリマー(例えばポリエチレン・グリコール)をコーティングしたりすると、凝集化を抑え、分散を安定化させることが示された。ナノ粒子の分散安定性を定性的に理解するためにDLVO理論が用いられた。"agglomerates"を"aggregates" (強い結合)と区別するため、そして、粒子のagglomerationの程度を推計するために、様々な超音波処理技術 (bath and probe)を用いる方法が開発された。分散防止剤としてピロリン酸ナトリウムが用いられる場合は、二酸化チタンの凝集体(agglomerates)を分散させるには、bathの超音波処理よりも、probeの超音波処理が優れていた。aggregateされた、および、agglomerateされたサンプルの同定を行うために、商業的に利用可能なDegussa P25と実験室で合成した二酸化チタンのナノ粒子が用いられた。