環境税についての覚書

環境省が提案している環境税は2004年以来ずっと「炭素1トンあたり2400円」だ。ガソリンを1リットル消費したときの炭素排出量が643gなので、炭素1トン排出するにはガソリンを1555リットル消費する必要がある。ガソリン1555リットルで2400円ということは、ガソリン1リットルあたり1.54円となる。
最近のガソリン価格の値上がり(と直近の値下がり)の大きさから見たら誤差のようなもん。現実はそういう議論を簡単に超えてしまう。
「第1回グリーン税制とその経済分析等に関する専門委員会」の資料を見てると、世論調査と企業調査の結果が載ってるが設問が悪い。内閣府による世論調査の結果では「あなたは、環境税の導入をどう考えますか。あなたのお考えに最も近いものを一つだけお答えください」だし、環境省による「環境にやさしい企業行動調査」では「地球温暖化を防止するために、環境税の導入を図るという考え方について、どのように思われますか」だ。税収中立的にやるのか、単なる増税なのかとか、せめてもう少し条件を明確にしないと賛成反対なんて答えられない。学生のとき、生協が「リサイクルに賛成か反対か」という(条件なしの二分法)アンケートをやってて困ったの思い出した。世の中を善と悪に二分してしまうような思考がベースにあるのだろうか?