米国と英国での一般人への地球温暖化リスク認知アンケート調査

日本では、テレビはCMも報道もバラエティもエコエコしてるが、一方で、人為的温暖化説への懐疑本がたくさん出ている。一般人の地球温暖化リスク認知はどうなっているのかとても興味がある。1990年くらいから毎年定点調査をやっておくべきだった!今からでも自分で調査やってみようかなあ。
2008年10月には、米国での大規模アンケート調査の結果が発表された。全米気候価値調査(American Climate Values Survey: ACVS)は、Nature Conservancyをはじめとする環境保護団体が、コンサルティング会社 "EcoAmerica" に委託して実施されたものだ(Nature Conservancyの記事へリンク)。18歳以上の米国の人口構成を代表するサンプルに3000通郵送して1707通の回答があった(回答率58%)。アンケート調査の報告書もpdfで読める。240に上る質問に、同意する、やや同意する、あまり同意しない、同意しない、の4段階に加えて、分からないの5択で回答する。この調査は質問文がおもしろい。おもな結果はこんな感じ。

  • 地球温暖化を、1)現実に起こっていて、2)人為的に引き起こされたもので、3)帰結は人類に有害であると思っている回答者はわずか18%しかいない。
  • 最大の説明変数は支持政党。つまり、地球温暖化問題は政治的に分断された問題であるということになる。地球温暖化が起こっていると考える比率は、共和党支持で54%、民主党支持で90%。地球温暖化は自然要因であり人間が引き起こしたものではないと考える比率は、共和党支持で49%、民主党支持で23%。地球温暖化が人類にとって有害だと考える比率は、共和党支持で56%、民主党支持で84%。
  • 5番目の選択肢"have no idea"(分からない)を選択した比率がけっこう高かった。彼らは、地球温暖化に関心がなく、理解も低く、参加意識にも欠けている。

2008年6月には、英国で、The Observer紙が実施したアンケート調査の結果が発表された(記事へリンク)。アンケートは、調査会社Ipsos MORIによって2008年5月に実施され、1039人が回答した(報告書のプレスリリース)。

  • 6割が「多くの科学者が人間が気候変動に寄与しているかどうか疑問視している」に同意した。
  • 4割が「ときどき気候変動はみんなが言うほど悪いことではないのではないかと思う」に同意した。
  • ただし、「気候変動を心配しているか」という問いには、30%が非常に心配している、47%が少し心配していると回答した。

こちらでも懐疑派は多いことが分かる。懐疑派が多い理由として挙げられているのが、Channel 4のドキュメンタリー"The Great Global Warming Swindle"(Youtubeで8本に分けて見ることができる)と、Lord Lawsonによる著作("An Appeal to Reason: A Cool Look at Global Warming")の2つ。