Cass Sunstein氏が次期政権のOIRA長官に決定!

大統領府の行政管理予算庁(OMB)の中のOIRA(Office of Information and Regulatory Affairs)のトップへの就任が決まった。Sunstein氏は54歳で、Chicago大学にいた関係でObama次期大統領の友人なんだそうだ。2008年にHarvard Law Schoolに移ったところだった。以前、ブッシュ政権のJohn Graham氏に続いておなじみの学者さんが就任することになる。このポジションは、EPAFDAといった規制省庁が新たな規制を作る際に提出する規制影響分析(RIA)をチェックする最終的な権限を持つ(つまり、OIRAが認めなけらば規制は永遠に日の目を見ないことになる)ことから"regulation czar"と呼ばれ、恐れられている。Graham氏は見るからに"czar"だったが、Sunstein氏はどんなczarになるのだろうか?

考えてみれば、昨年12月にボストンで開催されたSociety for Risk Analysisの年会では、プログラムに名前があって楽しみにしてたのに欠席で、そのとき「Transition teamの仕事が急に入って来られなくなった」というアナウンスがあった。まさかOIRA長官に任命されるとはびっくり。でも納得だ。そしてものすごく楽しみだ。Sunstein氏は規制の専門家だし、法学者でありながら(たぶん新しいもの好きが高じて)リスク論予防原則費用便益分析なんかにも詳しく、最近は行動経済学の共著("Nudge")を出したところだ。まさに"a one-man think tank"なのだ。

ついでにWikipediaを見ていたら、なんと2008年7月にSamantha Powerさんと再婚したという(記事)。彼女がHarvard大学教授だということで、昨年からHarvard Law Schoolに移ることになったようだ。さらに驚いたのは、Samantha Powerさんと知り合ったきっかけは、2人がBarak Obamaの大統領選キャンペーンのアドバイザーとして働いていたとき。Samantha Powerさんはアメリカの歴代大統領が世界中の大虐殺を見過ごし続けてきたことを告発した著書"A Problem from Hell: America and the age of genocide"を書いたジャーナリストで、Paul Slovic師匠が"Psychic numbing and genocide"(心理的無感覚とジェノサイド)論文を書いた際に絶賛していた。