Andrew Maynard氏のブログ追っかけ
4月2日は、中国の電池技術の進歩についての話。
New York Times紙の記事に触発されて書かれたエントリ。
4月3日は、21世紀のための科学技術を再考するパート2
パート2は、"Coupling"について。カップリングとは、社会(人間)の活動と地球環境の間の切っても切れない相互作用のこと。この概念を「実験」で示そうとするところが、Maynard氏らしい。振り子を使って、1つの振り子の揺れが徐々にもう1つの振り子に伝わり、やがて後者の揺れの方が大きくなっていく。この「カップリング」を管理するためには、科学技術の力が不可欠である。さらに、Maynard氏らしいのはそのための1つの手段に、グローバルなコミュニケーションシステムの急速な発展を挙げていることだ。この話は続くようだ。
4月7日は、21世紀のための科学技術を再考するパート3
パート3は、Maynard氏が大好きな"Communication"について。地球規模でのコミュニケーションの発展が3つの形で科学技術に影響を与えているという。1つは、専門家同士だけでなく、専門家と素人の間のコミュニケーションに革命を起こすこと。情報を探すコストが大幅にダウンし、かつ、素人も専門情報にアクセスできるようになることで、専門家の独占が崩れ、科学技術の民主化が進むこと。2つ目は、アイデアの交換に革命を起こすこと。そのスピードを各段に上げる。どのような科学技術が追及されるべきかについての議論が民主化され、グローバル化する。3つ目は、それらの結果として起こる科学技術の分権化。嫌なものは拒むことができる。遺伝子組み換え生物で起こったこと。
この文章のもととなったレクチャーで、Maynard氏は2つの事例を使って説明した。1つはおなじみのTwitterだ。もう1つは、MITのMedia LabのPatti Mae氏のグループのメンバーのPranav Mistry氏が開発したものだ。wearable techのデモが見れる。これはSix Sense projectの一部でもある。
4月8日は、再びジオエンジニアリングの話。
ほんの少し前までSFの話だったのに、オバマ政権の科学アドバイザーに就任して初めてのインタビューでJohn Holden氏が、ジオエンジニアリングについて語ったこともあり、動きは急だ。そのため、考えておかなければならないことがたくさんある。
- 過去の環境への介入の帰結はあんまり良くない。ジオエンジニアリングならOKだと想定する根拠は何か?
- 科学は、仮説を立て、検証し、失敗の繰り返しで進歩してきた。ジオエンジニアリングは一度の失敗が許されないようなケースもある。
- 地球システムは非線形で不均衡だ。予期せぬ帰結が十分起こりうる。
- ジオエンジニアリングの帰結は国境を超える。意思決定に関わるべきグループは多数になる。
- 誰がコストを負担し、誰が便益を得るのか。先立って解決しておかなければ別の問題を生み出してしまう。
- 非介入と介入の社会的・倫理的帰結では、後者がずっと大きい。
プロセスの相当初期段階から、ジオエシックス枠組みを適用することが必要不可欠。
4月14日は、科学技術と社会について語る13人の"Twit"たち。
Maynard氏がTwitterを始めて4ヶ月。ずいぶん良く分かってきたというわけで、Machable.comに「現実を見る目を変える13の"Twits"」というリストを投稿した。これは科学技術と社会について議論している13人の"Twits"を紹介したものだ。
Maynard氏の追っかけをしている者として、ぼくもTwitterを始めてみた。まずは、Maynard氏と彼が紹介している13人をフォローすることにした。
4月15日は、混沌から秩序を形成するという話。
YouTubeを使ったプロジェクト"Internet Orchestra"の話。もちろんこれは科学技術の話じゃないけど、イノベーターがインターネットをうまく利用して人々に協働させるという素晴らしい事例で、参考になりそうだ。ちなみに、Maynard氏の11歳の息子のAlexはオーボエをやってるそうだ。