スイス連邦工科大学による調査

スイス連邦工科大学が,2つの調査を実施(調査結果の詳細はいずれ報告書か論文の形で出るはず).

○スイスとドイツのナノテク企業32社へのインタビュー

  • ナノ粒子の吸入による影響を調査していたのは32社中わずか2社
  • 3/4の企業はリスク評価を実施していない
  • ナノ粒子を含んだ製品が有害影響を持ちうるかどうか検討した企業は1/5
  • 1/4の企業ではテストが行われたかどうかさえ知らなかった

このような事態を,社会心理学者のMichael Siegrist氏は,ガイドライン(事業者の自主的取組,政府による規制)の欠如ためであるとしている.

→日本でも,リスクガバナンスの実態を事業者にインタビューするという調査は必要だろう.

○スイス市民900人へのアンケート調査

  • 一般人は専門家よりも高いリスク認知を持っていることが分かった.
  • このままでは遺伝子組換え技術のような事態が起こりかねないと警告.
  • スイス政府の環境局は,年末までに,ナノ材料のリスク評価・管理を行う国家計画を策定する予定らしい.