東京都による「防災に関する世論調査」

東京で大地震が起こることに対して「非常に不安を感じる」と回答した人の割合が6年前の30.9%に比べて47.6%に増えたことがポイント.

  • 1992年の調査では28.7%
  • 1995年の調査では37.2%(増加↑)
  • 1999年の調査では30.9%(低下↓)
  • 2005年の調査では47.6%(激増↑)

1995年にリスク認知が高まったのは阪神・淡路大震災(死者6400人)があった年だからだ.そして人々の記憶から薄れていき,リスク認知も低下する.2005年に再びリスク認知が高まったのは新潟中越地震(死者50人)が2004年10月にあったからだ.おもしろいのは,東京都の住民には後者の方がインパクトが大きかったことだ.新潟の地震は東京でも揺れを感じたが,神戸の地震では揺れはほとんど感じなかったためだろう.
地震の予測にこそ「予測市場」が使えそうなんだけど,やっぱり当たったとき(=被害を受ける人がいる)に喜ぶ(=お金をもらえる)のがマズいかな.でも確実に社会のためになる.感情的な反発よりもより正確な予想が社会にとって有益なはず.ジェームズ・スロウィッキー著『「みんなの意見」は案外正しい』にはこういった感情的な反発への反論が載っている.