環境税の議論を現実が超えていく

原油価格がまた最高値を付けた.こうなると環境税の議論が完全に霞んでしまう.完全に現実が超えてしまっているからだ.以前書いたように,「環境省が昨年10月に提案した環境税は,ガソリン1リットルにわずか1.52円の上乗せ」でしかない.現実のガソリン価格は7月10日現在で137円まで上がっている.4月からさらに6円アップした.卸価格の値上がりがいずれ小売価格に反映されるとすればさらに上昇する可能性がある.環境税との違いは,上昇分が誰の収入になるかである.政府の収入になるか,産油国と石油会社の収入になるかだ.
原油高騰を受けて,ロシアで開催されているサミットで採択予定の「エネルギー安全保障に関する特別文書」には,各国が年内にエネルギー消費削減の数値目標を設定することも盛り込まれるようだ.温暖化対策や石油枯渇対策としてみれば悪いことではない.京都議定書の目標達成を助けてくれるかもしれない.やはりどこかの大金持ちの環境保護主義者か未来の人たちが先物石油を買いまくっているのだろうか?(笑)