神の見えざる手?

ふと思った.原油高騰による強制的な省エネは「神の見えざる手」なのかもしれない.
欧州での排出権取引市場では現在CO2が1トンあたり17ユーロ(2500円),日本企業が行うCDMは1トンあたり700〜1000円あたり.ここから換算すると,CO2の排出1kg分をオフセットするにはおよそ1.0〜2.5円である.例えば,燃費が15km/Lのクルマを想定すると,ガソリン1LあたりCO2排出量は2.3kgなので,2.3〜5.8円を支払えばカーボンニュートラルを達成できる.つまり,(CO2に限った)クルマ走行の外部性をすっかり内部化するために必要な課税額はガソリン1Lあたり2.3〜5.8円ということになる.最近のガソリン価格高騰によってこれを上回る金額を払っていることになる.儲けている産油国や石油会社は,この差額を使ってなんらかの形でカーボンオフセットをやらないかなあ!
クルマ走行には,PMやNOxによる大気汚染だったり,事故や渋滞,駐車による路上占拠だったり,外部性要素は多いので,ピグー税による完全な内部化にはもっと課税額は高くなければならないけどね.