「どの死亡原因を取り除いて欲しいか」

安井至氏の「リスク報道を超えて 死亡数によるリスク表現」で出された宿題へ回答してみた。

「どの死亡原因を取り除いて欲しいか」を考えていると、2通りあるように思いました。
A.自分のことではないけど、悲惨なので減らして欲しいもの
B.自分の死亡リスクを減らしてほしいもの
Aは自殺。やはり死に至る過程も含めてかわいそうだから。
Bは交通事故。理由は今自転車通勤をしているので自分が死ぬとしたらこの可能性が一番高いと思うから。
ちなみに、最初の方にあった問い「どれで死にたくないか」なら回答は相当変わってきます。
この場合は、飢餓、自殺、他殺、火事、落雷あたり。
理由は2つあって、1) それに至る過程がつらそう、2)リスク自体は小さいけど、それだけに当たったら悔しい。運が悪い。

さらに考えると、特異的疾患か非特異的疾患かによって違ってきそうだ。
だって、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病で死んだらBSEが原因だったかと分かるけど、残留農薬食品添加物、有害化学物質への慢性曝露によって死んだかどうかなんて分かりようがない。「食品添加物では死にたくない」なんていう言葉にはあまり意味がない。
アスベストが大きな問題になる理由のひとつに影響のかなりの部分が特異的疾患であることが挙げられる。原因が分かると怒りや悲しみは倍増する。