EHPの2007年7月号より

  • Bell et al. (2007). Ambient Air Pollution and Low Birth Weight in Connecticut and Massachusetts

大気汚染と出生時体重の関係.マサチューセッツコネティカットで1999〜2002年に生まれた約36万人を対象に,PM2.5,PM10,NO2,SO2,CO曝露(妊娠期間中の各期間のカウンティ内の平均大気中濃度)との相関を探ったところ,NO2,CO,PM10,PM2.5への曝露の25%増加は,それぞれ8.9g(95%CI:7.0–10.8), 16.2 g (95% CI, 12.6–19.7) , 8.2 g (95% CI, 5.3–11.1) , 14.7 g (95% CI, 12.3–17.1)ほど体重減少をもたらすことが分かった.PM10については第3期,COは第1と第3期,NO2とSO2は第1期,PM2.5は第2期と第3期の曝露と相関があった.

  • O'Neil (2007). Superfund: Evaluating the Impact of Executive Order 12898

大統領令12898号は,環境的公正(environmental justice)に関するもの.スーパーファンド対策が,低所得者層やマイノリティにとって不利に進められているという問題意識から1994年に大統領令12898号が成立し,連邦省庁は政策に環境的公正の視点を組み込むことが要求された.著者らは,"event history analysis"(これについては,同タイトルのテキストもあるようだ)を使って大統領令が与えた影響を評価したが,スーパーファンドプログラムの公平性が増した証拠は見つからなかったとのこと.