欧州委員会が「行動規範」を提案

欧州委員会は自発的な,「責任あるナノサイエンスとナノテクノロジーの研究の行動規範」(Code of Conduct for Responsible Nanosciences and Nanotechnologies Research)の採択を計画している.そのためのコンサルテーション文書(pdf)が発表され,7月19日から9月21日までコメント募集中となっている.第4節「原則」には守るべき3つの原則が提案されている.1)Precaution,2)Inclusiveness, 3)Integrity.
1)は予防(事前警戒).環境やヒト・動物への身体的なダメージだけでなく,プライバシーや個人情報の保護といった権利まで含んだ概念.2)は公開と公正.例えば,公的資金で得たナノサイエンス&ナノテクノロジー情報へのアクセスは原則公開,3)は誠実さ.研究上の不正を防ぐための努力と内部告発者の保護.
最後に質問として次のような5項目が投げかけられている.

  • 行動規範の提案されている範囲は十分だと思いますか?
  • コンサルテーション文書に示された諸原則は,欧州におけるナノサイエンスとナノテクノロジーの安全で健全な発展のために十分だと思いますか?もっと良い原則がありますか?
  • 研究が行われるべきでない,ナノサイエンスやナノテクノロジーの分野があると思いますか?
  • 行動規範が採択されたのちも,どうやったら関心を維持できると思いますか?フォローアップはどのようなものが良いと思いますか?
  • あなたやあなたの会社・組織は行動規範に従いたいと思いますか?