デンマーク環境保護省による消費者製品調査

デンマーク環境保護省(EPA)は「消費者製品における化学物質」というサイトで、調査レポートを多数掲載している。その中に、ナノテク製品に関するものが2つあり、どちらも2007年に発表されている。

Survey No.81 "Survey of nanotechnological consumer products"

第2章ではナノ製品を作っている会社と業界団体。第3章ではナノテク製品について。「トップダウン」の業界団体調査と「ボトムアップ」の事業者調査から数え上げたようだ。ナノテク製品は243個挙げられている。その多くはドイツ製品で、日本製品は4つ。

  • Rutina nano-force (5 products)(コーセー)
  • Rutina nano-white(コーセー)
  • Nanoce moisture Liquid Foundation(石澤研究所)
  • Sanyo Organic Electroluminscent (OEL) Displays(三洋電機

(注:三洋電機有機ELディスプレイ事業から撤退した)
その中で材料の種類が分かっている41について、二酸化チタン(13)、炭素(12)、銀(10)、酸化亜鉛(6)となっている。第4章は適用と曝露。曝露の可能性が「予想される」「可能性がある」「曝露なし」の3通りに区分され、化粧品と表面処理剤について、欧州リスク評価のTGD(Technical Guidance Document)
に基づいた簡単な曝露評価が行われた。

Survey No. 89 "Nanotechnology in the Danish Industry-Survey on production and application"

こちらはナノ材料の産業利用と生産に焦点をあてたもの。企業にアンケート&インタビューを行った。アンケートは165の企業に郵送し、回収は75件(45%)で、24企業(15%)がナノテクノロジー関連製品を生産または使用していると回答した。ナノ構造材料、ナノ多孔構造、ナノフィルムを除く、ナノ粒子、ナノ繊維、ナノフレークを用いている企業は16(9%)だった。アンケートは、全般的な部分(27問)と材料に対する部分(12問)からなる。前者は、ナノテクの種類や、労働現場での対策、知識、廃棄物の管理など、後者では取扱量や形状等が尋ねられた。ナノ粒子の種類は、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、シリカ酸化亜鉛、銀、銅であった。
さらに、16社の「ナノ粒子、ナノ繊維、ナノフレークを用いている企業」については訪問あるいは電話でのインタビューが行われた。