ナノテクCMその2:東レ

繊維系の中でこれまであまりナノ訴求していなかった東レが突然「東レのナノテク」(まるで家電業界の中での日立みたいに)を前面に押し出し始めた。この意思決定の裏にはどのような計算があるのだろうか?ナノテクを表に出すのはやめておこうという意見も中にはあったのだろうか?
ぼくが最初に気づいたのは新幹線の東京駅の階段の途中で見た広告だった。
「1/1,000,000,000メートルの世界。そこが、東レのフィールド。」という見出しとダンクを決めるバスケ選手のポーズ。下には「未来を変える先端材料を創る。それが、東レのナノテク」。さらに小さい字で「物質を原子レベルの大きさで正確にコントロールする技術。東レはナノテクを使い、様々な分野で新しい価値を生み出しています。」と書かれている。掲載期間は2007年10月の一か月間だけだったようだ。それと同時にテレビCMも始まった。
ウェブサイトに載っているスクリプトは;

10億分の1メートルの世界。
そこが、東レのフィールド。
物質を原子レベルで正確にコントロールし、
未来を変える先端材料を創る。
それが、東レのナノテク。
Innovation by Chemistry
東レ

過去の新聞広告も見ることができる。12月4日掲載の「世の中に、口紅がついても落ちやすいシャツを。」で「ナノマトリックス技術」が、再び12月18日掲載の「世の中にずっと着ていても臭わない宇宙服を」では「ナノスケール加工技術」が取り上げられている。