OECDのスポンサーシッププログラム

日本で先週、OECDのスポンサーシッププログラムに関するワークショップが開催された。昨年決められた優先的に試験を行うべき14物質に加盟国がスポンサーとなり、有害性の試験セットが実施される計画。OECDの見積もりによると1物質あたり200万ドルかかるという(news)。日本は、米国と英国と共同でフラーレン、SWCNT、MWCNTのスポンサーに名乗りをあげているが、そのうちいくつかの試験はすでに進行中だ。手続き的には試験実施計画である"dossier development plan"を作成してから試験を始めるのだけど、まだその形式も決まってない段階で先走った形になっている。もちろんそれは悪いことじゃないけど、もし日本の方法がデファクトスタンダードにならなかったらもう一度最初からやらされるなんてことなんてないよね?と少し不安に思う。
この記事にはスポンサーシッププログラムに対するMaynard氏のコメントが載っている。

'If you have got different people applying different tests in different ways to different materials, it will be hard to generate useful conclusions,' Maynard warns. The project should be part of a much larger programme that addresses longer-term issues - including nanomaterials that may be developed in the next 5-10 years.

たしかに。様々な国で、様々な物質に、様々な方法で、様々な試験が行われては解釈が難しい。全体の戦略や、物質や試験方法の標準化は不可欠。