米国EPAが鉛の大気環境基準値の大幅強化を提案

EPAは5月1日、現行の1.5μg/m3から0.10〜0.30μg/m3(代替案として0.10〜0.50μg/m3)への強化を提案。基準値の強化は1978年以来(30年ぶり)のことだけど、その間に実施された有鉛ガソリンの廃止によって大気中への鉛の排出は98%近く減ったそうだ。現在は様々な排出源から年間1,300トン排出されているとEPAは見積もっている。EPAはこれから60日間のパブコメ期間と2回の公聴会を経て、最終的には9月15日までに最終ルールを発行する必要がある。提案の内容は、"National Ambient Air Quality Standards for Lead"としてFederal Registerに掲載済み(pdf)。改訂の理由は、疫学調査が蓄積されてきたことによる。血中鉛濃度の閾値はないものと想定され、10μg/dL未満でも子供に健康悪影響が出ると考えられている。エンドポイントはIQの低下。現行基準値ではIQが平均1〜2ポイント低下していると推定されている。