しばらく忘れていたAndrew Maynard氏のブログ追っかけ

前回は4月13日分(間違って12日って書いてるけど)までだったので続きをぼちぼち。グアダラハラに行く飛行機の中で読んだままになってた。

4月18日はナノテクリスク研究予算の話

NNIは2008年2月に発表した戦略(Strategy for Nanotechnology-Related Environmental, Health, and Safety Research)の中で、FY2006(2006年10月〜2007年9月)に、ナノテクのリスク研究に対して7つの省庁で246のプロジェクトで合計6800万ドルが費やされたと見積もった。ところが個々のプロジェクトの情報がないのでそれぞれが本当にリスク研究に寄与しているのかどうかは検証できない。そこで、PENはここの情報などをもとに、246のプロジェクトをリスク研究にどれくらい寄与しているかを基準に4つに分類した…1)非常に関連がある(highly relevant)、2)大体は関連がある(substantially relevant)、3)ある程度関連がある(some relevance)、4)少しだけ関連がある(marginally relevant)。結果はPENのインベントリの個々のプロジェクト欄に"Relevance to Implications"として記載されている。PEN独自の集計では「1)非常に関連がある」に分類された予算はわずか1300万ドルだった。2)を足しても2900万ドル。この件は、4月16日に開催された下院の科学技術委員会での公聴会(ウェブキャストで見ることができる)でもMaynard氏は取り上げている(PENでの記事)。246のプロジェクトのリストが附録についている。
米国のこのありさまに対して、欧州では、2008年1月に出た報告書(EU nanotechnology R&D in the field of health and environmental impact of nanoparticles)(リンク)を見ると、1)に相当する予算がおよそ2400万ドル計上されている。米国の2倍も予算を使っている!(PENの記事
じゃあ日本はどうなんだ?ってことになるんだけど、そもそも研究予算のデータベースがない…。PENのインベントリにも日本の予算は2件だけしか載ってない。

4月25日は消費者製品を通した人々の認知の話

ファッション雑誌の"Elle"5月号に載っていたナノテクの記事"Small Wonders"の話をツカミに。ちなみに表紙はマドンナ。そこから、PENのdirectorであるRejeski氏が4月24日に開かれた上院の委員会(Commerce, Science and Transportation)の公聴会で、銀ナノ粒子入りの歯磨き粉を手に証言した話へ。