Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

5月2日は銀ナノ粒子の話

PENのインベントリでは明記されている材料の中で銀ナノが最も多い。ちなみに日本版では白金ナノコロイドやフラーレンが多い。銀ナノ粒子をめぐっては4月に2つの興味深い動きがあった。この日のブログでは両方が取り上げられている。
ツカミはニール・スティーヴンスン著『ダイヤモンド・エイジ』(, )。出版された1995年から13年後の2008年では「シルヴァー・エイジ」ということになる。
1つ目の動きは、Nature誌に掲載されたKumer et al.論文を受けて書かれたSciencelineの記事を受けてEnvironmental Defense FundのブログにCal Baier-Anderson氏が書いた記事の話。彼女の批判は「抗菌剤として用いられている銀に対して細菌は耐性を獲得することができない」とするSciencelineの記事には根拠がないということ。根拠となる文献を多数挙げながら論理的に批判している。さっそくMaynard氏も「僕も、Sciencelineの記事のその主張を読んだ瞬間に、僕の中のあらゆる種類の警報ベルが鳴り始めたよ」なんていうコメントを残している。
もう1つの動きは、International Center for Technology Assessment (CTA) らがEPAに対して、銀ナノ粒子を使った製品を殺虫剤(pesticide)として規制せよという請願書を提出した件。
その他に、Westerhoff and Benn論文の話もしているけど、これは別途取り上げる予定。

5月8日は忙しすぎてとうとう壊れる?の巻

タイトルは「会議はもう十分!」。普通の人にとっては学会とかシンポジウムっていうのは、単調な日常から離れるちょっとした気分転換なんだろうけど、Maynard氏にとっては逆にイベントが日常。過去1年間で54のナノ会議に出席したそうだ。おそらく世界中の。そこでMaynard氏は提案する。ナノミーティングのモラトリアムを!せめてもうちょっとリスクについて事実関係がはっきりするまでは。そして、「ナノミーティングにNOを!」をスローガンとする自発的プログラム。ナノミーティング中毒からの回復のための自助グループ…。でも次の会議に出てしまう衝動は強すぎる。やっぱり、法規制が必要だ…(注:これらはすべてナノテク規制をめぐる言説のパロディ)なんて妄想していると空港に着き、スタバでコーヒーを飲むと正気が戻り、そしてまた会議へと…。