ミネソタ州立大学のKuzma氏の仕事

米国の農務省(USDA)には、リスク評価と費用便益分析室(Office of Risk Assessment and Cost Benefit Analysis: ORACBA) というところがあって、経済学者もそこで働いている。そこが主催のリスクフォーラムで、5月13日、ミネソタ大学のJennifer Kuzma氏が、"Agrifood Nanotechnology: Upstream Assessment of Risk and Oversight"(アグリフード・ナノテクノロジー:リスクと監視の開始時評価)と題する講演を行った。クリックするとそのときの90枚のpptファイルを見ることができる。自分たちのアプローチを"Upstream Oversight Assessment (UOA)"と呼んでいる。硬い日本語にすると「開始時監視評価」となる。つまり、新規技術はその開発段階からリスクとそのガバナンスのあり方についてのアセスメントをやっておくということ。発想はアリゾナ州立大学のDavid Guston氏らの"Real-Time Technology Assessment"とほぼ同じだ。
Kuzma氏は、2006年にProject on Emerging Nanotechnologies (PEN)からシリーズの第4巻として"Nanotechnology in Agriculture and Food Production: Anticipated Applications"(農業と食品生産:期待される応用)を執筆して以来、ナノテクの農業と食品への応用をめぐるガバナンス問題に関して多数の論文を書いている。以下にメモ。