Andrew Maynard氏のブログ追っかけ:3週間のナノブレイク

7月20日ナノテクへの12の教訓の話

2001年に欧州環境庁(EEA)は専門家パネルに14の過去の事例をケーススタディとしてまとめ、そこから12の"late lessons"(遅ればせの教訓)を導き出すという作業を委託し、結果は報告書"Late lessons from early warnings:the precautionary principle 1896–2000"(pdf)として発表された。日本語にも翻訳されていて2005年に書籍『レイト・レッスンズ:14の事例から学ぶ予防原則』として発売された。2001年当時はまだナノテクは注目されていなかったし、そもそもまだ「過去の事例」ではないので14の事例には入っていない。そこで、Maynard氏らは、12の教訓をナノテクにあてはめて、過去の過ちを繰り返さないようにするにはどうすべきかを考察する論文、"Late lessons from early warnings for nanotechnology"を書いて、Nature Nanotechnology誌の8月号に掲載された(link)。

7月26日はLux Researchの新しい報告書の話

取り上げているのはLux Researchが発表した報告書"Nanomaterials State of the Market Q3 2008: Stealth Success, Broad Impact"(ナノ材料市場の2008年第三四半期の現状:秘かな成功と広範な影響)の件。個人で買うのはたいへんだけど組織では買っておけ、ということらしい。ブログでは、環境安全健康(EHS)に触れている部分を簡単に紹介してくれている。投資家に対して、ナノテク企業がEHS問題にどう対処しているかチェックしとけとアドバイスしている点は注目に値する。

同日、続けてナノブレイクに入るというお知らせ

3週間ブログの更新を休む(ナノブレイク)と宣言。ナノテクよりも大事な「生活」があると家族に言われたとか。で、読者に宿題(夏休みの課題)を残して行った。

  1. 初めてナノ材料が意図的に作られたのはいつ?
  2. ナノテクの将来の可能性を最もうまく捉えたフィクション作家はだれ?
  3. 今はナノテクを使ってないけどナノテクを使うことが最も望まれる消費者製品は何?
  4. 誰が一番ナノテクノロジーを必要としている?科学者、事業者、それとも「一般人」?
  5. ナノテクノロジーというコンセプトは「心のウィルス」か?もしそうならその解毒剤はなに?

回答はコメントボックスにって書いてあるけどまだゼロ(これはMaynard氏も予測しているようだ)。ブレイク期間中は「ナノテク」という言葉を1回使うごとに1ドル罰金を課しているそうで…高くつく夏休みになりそう、なんて言っている。ブログの再開は今週末、16日あたりかな?