Andrew Maynard氏のブログ追っかけ:8月21日
ナノブレイク明けのエントリーのテーマは消費者製品。PENの消費者製品インベントリが更新されて製品数は800を超えた(日本版は更新が最近滞ってるんだけど、実際新製品が少ないような気がするのは気のせい?)。米国版で興味深い新製品として挙げられているのが、血痕をつけない狩猟シャツ、マクドナルドのハンバーガー容器のためのナノテクベースの接着剤、嫌な臭いのする靴を消毒するオーブンのような装置。消費者製品はナノテクがもたらすもの全体の中では非常に小さい部分だけど、一般人がナノテクについての認知を形成する際には重要な役割を果たす。そこで、本エントリーの本ネタに入る。PENの報告書シリーズの14番目"The Consumer Products Safety Commission and Nanotechnology"のリリースについての話。著者はハーバード大学のE. Marla Felcher氏。EPAやFDAに続いて、消費者製品安全委員会(CPSC)が法規制ギャップ調査のターゲットになった。 内容は記事の見出しにあるように「CRSCはナノテク製品を扱う準備ができていない」というもの。CPSCはおもちゃや赤ちゃん製品、スポーツ製品、衣料、電化製品など15,000以上の消費者製品を対象とする。2007年秋に多数のおもちゃから鉛の塗装が見つかりリコールされた事件で、CPSCの無力ぶりが明らかになったことを受けて、ローテクでさえ管理できないCPSCがナノテクのようなハイテクはとうてい管理できないという懸念が強まった。報告書ではそのためには以下のような改革をすべきと勧告。
- ナノテクの知識ベースと専門性を構築
- ナノ製品を作っている企業を特定し、リスク評価データ等の情報を引き出すよう要請
- 他の機関と連携してリスク評価
- 慢性有害性諮問パネル(CHAP)を作って子供が使用する製品のリスクを評価
- 企業に自発的安全基準を作るように依頼
- 議会に法律を改正して製品中のナノ材料を特定するよう企業に要請する権限をCPSCに付与
- ナノテクを含む新興技術に基づいた「新規」消費者製品について安全基準を公布する権限をCPSCに付与