英国Defraによる自主的報告スキーム(VRS)のパイロット期間が終了

英国の自主的報告制度の正式な制度名は"Voluntary Reporting Scheme (VRS) for Manufactured Nanomaterials"、すなわち「工業ナノ材料についての自主的報告スキーム」で、環境食糧地方問題省(Defra)が実施している(ウェブページ)。パイロット期間は、2006年9月22日にスタートし、2008年9月までの2年間。3か月ごとにDefraが進捗情報をウェブサイトで報告する。EPAのNMSPと違って、報告者は匿名で内容も公開されないことになっている。最初の1年で9件の報告があったあとは、ゼロが続き、2008年3月にはVRSガイダンス文書(pdf)を更新するなどの努力もむなしく、2008年8月時点ではわずか2件増えただけの合計11件にとどまっている。内訳は、産業界から9件、学術界から2件。
現在、産業界と学術界に対して、VRSに対する考え方についてのアンケート調査を実施しているようだ。この9月にパイロット期間が終了したことを受けて、「ナノテクノロジーに関する閣僚グループ(Ministerial Group on Nanotechnologies)」のメンバーは、今後どうするか決めなければならない。10月中になんらかの決定がある模様。強制的な報告制度にすることも選択肢の1つである。