欧州では化粧品中ナノ材料についての自主的報告制度が始まる

2008年9月10日、欧州委員会(EC)は、ナノスケール物質とそれらが使われた最終製品(化粧品)に関するデータを提出することを事業者に依頼した(pdf)。情報提供の期間は、2008年12月31日までとなっている。
背景として2つの報告書が挙げられている。1つは、2007年12月18日に発表された、SCCP(Scientific Committee on Consumer Products)の「化粧品中のナノ材料の安全性に関する意見(Opinion on Safety of Nanomaterials in Cosmetic Products)」(pdf)、もう1つは、2007年6月22日に発表された、SCENIHR(Scientific Committee on Emerging and Newly-Identified Health Risks)の「ナノ材料のリスクを評価するための、新規および既存物質に対する技術ガイダンス文書に従ったリスク評価手法の適切さに関する意見(Opinion on the Approapriateness of the Risk Assessment Methodology in accordance with the technical Guidance Documents for New and Existing Substances for Assessing the Risks of Nanomaterials)」(pdf)。
これらを受けて、欧州委員会では、化粧品に使用されているナノ材料についての情報ギャップと方法論ギャップを早急に埋める必要性があると判断し、安全性評価のガイダンスを作成するためにはまずは産業界からの情報を収集する必要があると考えた。

  • ナノ粒子の、化学的組成、不純物、形態とその柔軟性、凝集体、凝集行動、安定性、表面反応性、生物分解性、溶解度
  • 化粧品製造前の粒子の貯蔵条件と、粒子が接触する分子。
  • 最終製品中のナノ粒子の割合(体積で、数濃度で、表面積で)
  • 最終製品の他の構成要素
  • 製造過程の最中や終了後に化粧品の中で起こる粒子の変容
  • 情報提供対象の製品それぞれについての様々な要素間の相互作用