Bayer社のMWCNT製品である"Baytubes"が「米国EPAから承認」

Bayer MaterialScience社からの12月19日付のプレスリリースによると、彼らの多層カーボンナノチューブ(MWCNT)製品である"Baytubes"が「米国EPAから規制上の承認を得た」という。プレスリリースの文章を読む限り、これはSwanと同様、同意命令(Consent Order)を受けたということだと想像される。とすれば、90日間のラット吸入試験を義務付けられたはずだ。ちなみに、Bayer MaterialScience社は、EPAのナノスケール材料スチュワードシッププログラム(NMSP)の基礎的プログラムにも参加しているが、報告書は秘匿となっており見ることはできない。
対象となっているのは、"C 150P"と"C 150HP"という2つのグレード。これらはドイツのLaufenburgの工場で年間60トン生産されているそうだ。製品はともに0.1〜1mm程度のMWCNTの凝集体で、炭素純度はそれぞれ95%以上、99%以上。MWCNT単体では3〜15層で、平均直径は13〜16nm、長さは1〜>10μm。BaytubesのウェブサイトにはFAQページがあって、「安全性研究に対するBayer社の貢献は?」とか「Bayer社は世界中で行われているナノテクの安全性研究にどうやって貢献しているの?」「Bayer社はBaytubesの責任ある生産と使用を保証するために何をやってるの?」「Baytubesはヒト健康や環境にとって安全なの?」という質問が並ぶ。回答は抽象的で物足りないが、こういう質問項目を掲げ、何らかの回答を行っていることは自体は評価されるべき。