2月中にカナダが強制的報告制度の導入を発表するらしい

情報源はEnvironment Canadaの関係者。もともとカナダは、2007年9月に提案されたフレームワークのもとで、2008年からスタートするフェーズ2の中のアジェンダに入っていて、さらに、OECDが2008年6月に開いたWPNMの第4回ミーティングでは2008年秋にも導入する予定だと言っていたので、予定よりも数か月遅れでとうとう正式発表となるようだ(ニュース記事)。報告すべき情報についての詳細はまだ分からないが、「世界で初めての」強制的報告制度となる。ただし、フランス(やドイツ?)があとに続きそうだし、地域レベルではカリフォルニア州も正式に導入した(後述)。
カナダのニュースサイトの記事がもう少し詳しい。2008年に年間1kg以上生産または輸入した会社や研究機関が対象らしい。Andrew Maynard氏は「正確な情報と高品質な科学に基づくナノテク規制に向かう重要なステップ」だと評価している。Maynard氏は、カナダのナノテク専門家パネルの一員で、パネルは2008年夏にHealth Canadaに報告書"Small is Different: A Science Perspective on the Regulatory Challenges of the Nanoscale"(pdf)を提出。専門家パネルの議長だったPekka Sinervo氏によると、カナダ政府は民間企業と1年以上規制のあり方について議論を続けてきたという。そして「カナダは新興技術の責任ある管理の試みにおいてリーダーシップ的役割を取りつつある。これは良いニュースだ」とコメントしている。
他方、Howard Lovy氏はブログで、Neil Gordon氏の、これでますますカナダからナノテク企業が逃げていくだろうというコメントを取り上げて批判的だ。Gordon氏は実は、Canadian NanoBusiness Alliance (CNBA)の会長だった人で、このCNBAは2008年あたりに廃止されてしまったようだ(http://:title=ウェブサイトにアクセスしてももう存在しない)。カナダのナノテク産業は衰退しつつあるのだろうか?