カリフォルニア州がCNTsに関する情報提供を正式に要請

1月22日、カリフォルニア州のDepartment of Toxic Substances Control (DTSC) が、カーボンナノチューブ(CNTs)の生産・輸入を行う者に対して正式に情報提供の要請を行った(ウェブサイト)。正式な要請レター(pdf)は26の企業や研究機関に送付された。準備期間中に州政府は州内のCNTの生産・輸入事業者をほぼすべて把握できたようだ(2008年8月セミナー→10月ウェブ上にCNTについての提案→10月セミナー→12月ワークショップ→今回の正式なレター送付)。
DTSCが提出を要請しているデータは以下のとおり。

  • 貴社のバリュー・チェーンValue Chain)はどのようなものですか?例えば、貴社のCNTsは他社のどのような製品に使用されていますか?どれくらいの量?主要な顧客は誰ですか?
  • 労働現場や環境中の貴社の化学物質の存在をモニター(検出して測定)するために用いているサンプリング、検出、測定方法はどのようなものですか?必要とされるすべてのサンプリング、検出、測定、および検証方法について余すところなく説明してください。完全なQA/QC(品質保証/品質管理)プロトコルを提供してください。
  • 製造、流通、使用、最終処分から生ずる環境中での貴社の化学物質の現在のまた予想される存在量について分かっていることは何ですか?
  • 労働安全、公衆衛生、環境の観点から、貴社の化学物質の安全性について分かっていることはなんですか?
  • 研究、開発、製造環境において、労働者を保護するために貴社が用いている方法はどのようなものですか?
  • 環境中に放出された場合、カリフォルニア州のHealth & Safety Codeの条項のもとで有害廃棄物に該当しますか?廃棄されたoff-spec材料は有害廃棄物ですか?いったん廃棄されると、貴社が生産するカーボンナノチューブは有害廃棄物ですか?カーボンナノチューブに対する貴社の廃棄物の取り扱い手法はどのようなものですか?

レターの送付先リスト(pdf)が公開されていおり、米国EPAのNMSPにすでに参加している企業は次の3社。

そしてそれ以外の企業名が12社。Maynard氏がよくとりあげるCheap Tubes社も含まれている。

今回の通知の根拠となるカリフォルニア州の法律は、"Health and Safety Code"のChapter 699, sections 57018-57020(内容はpdf)である。法律は、分析手法、代謝や分解生成物、オクタノール水分配係数、生物濃縮係数、移動や運命に関するデータといった化学物質に関する情報を、当該化学物質の生産・輸入を行う者に課している。このレターが出されてから1年以内に情報を提出する必要がある。Sec.57020にはちゃんと企業秘密に関する条項がある。
レターの送付先には、カリフォルニア州の外にあるが、州内に輸出するであろう企業も含まれているそうだ。また、将来的には、CNTを含む製品のメーカーも対象とする可能性があるそうだ。また、DTSCは、すべての生産者と3か月に1度のミーティングを持つことを希望しており、さらに、NNIのグラントに応募し、研究資金を獲得しようと思っているとのこと。